やまとうたは、

人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。

心ざし深く染めてし折りければ

消えあへぬ雪の花と見ゆらむ




アイドル短歌4月分



春の終わりにひとひら花筏乗って漕ぎ出す夜は瑠璃色 /Snow Man


花の色は移りにけりな この春のトレンドは青、蒼天のいろ /Snow Man


この場所はあの日のゴールでスタートでそして遥かな旅路の途中 /Snow Man


長い長い旅の終わりに辿り着く君と絡めた小指に縁 /Snow Man


花冷に眠れずに居る 大切にされている大切にしている /Snow Man


薄紅がひらり手を振る 春宵に心をひとつ残してわらう /Snow Man


彗星の速度、オーロラの要因、夏の一等星までの距離 /阿部亮平


震えてた夜を数えるより今は方位磁針の示した先へ /Snow Man

いま桜咲きぬと見えて薄曇り

春に霞める世のけしきかな



アイドル短歌3月分




コンサート・ホールに積もる新雪の名残をひとつ手元にたぐる /Snow Man


宵闇に見紛う毛並みのいきものの瞳はぎらりと細まって金 /Snow Man


Spring has come! 次の春へ向かう365日の旅路 /Snow Man


切り札は最後に取っておくものでショートケーキの苺と同じ /岩本照


索漠を裂くようにして朔月にサクヤヒメのごと咲くのはさくら /佐久間大介


一生に一回きりを両の手で掬ってひかりにかざし春色 /Snow Man


髪型をおそろいにして胸を張る ちょっぴり強くなった気がする /岩本兄弟


はじまりに指したる26番目、アルファベットが描くのは愛 /宮舘涼太 向井康二


川沿いの開花を待ちかねたようにつぼみをそっと叩く催花雨 /向井康二


万物はここで生まれる ステージと442HzのA /Snow Man


クリームのてっぺん苺のふりをして澄ました顔で薔薇は咲いてる /宮舘涼太


彩りを纏う身ひとつ、心臓を晒して逃げも隠れもしない /岩本照

雪の内に春はきにけりうぐひすの

こほれる涙今やとくらむ



アイドル短歌2月分




吉方を向くためだけに今入れたアプリ、さよなら、また来年ね /深澤辰哉


いちばんに届く光を捕まえて毛先にぎゅっと閉じ込めて春 /佐久間大介


有明の月とおそろい こっそりと明かりを少し分けてもらった /宮舘涼太


まんまるな目からこつりと転げ出た24個の星屑、きらり /目黒蓮


指先で世界すべてを白銀に染めるのが特技です、なんちゃって /宮舘涼太


今日あった話したいことひとつずつ小瓶に詰めてリボンをかけて /佐久間大介


透明な冬の光と交代で足音高く春は来にけり /向井康二


幕引きは笑顔、たとえば今晩の空に浮かんだ満月くらい /目黒蓮 阿部亮平


通学路、ランウェイ、海辺、その次はどこへ行こうかエナメルシューズ /ラウール









最近羅小黒戦記にドハマリしてましてそちらでも短歌を作り始めたんですが、二次創作、罪悪感がほとんどゼロですごく気が楽ですね ただ一瞬のきらめきを閉じ込めたい衝動はアイドル短歌の方が強い気がするので、表現の目的の違いかな〜と思ったりもします 

いにしへにありきあらずは知らねども

千歳のためし君にはじめむ


アイドル短歌1月分




真っ白な靴ひも結び直したら朝陽を吸って10km走る /岩本照


泣きながら握りしめてた運命が海の向こうで笑ってる、ほら /Snow Man


歯車を回す女神の指先もつかんで走れ水平線へ /Snow Man


葛藤も挫折も傷も憧憬もぎゅっと固めて一息で吐く /Snow Man


入射角30°にて飛び込んだコバルトブルーは塩辛いか /Snow Man


無重力空間 星のお砂糖とリボン飾ってデコってあげる /Snow Man


ロケットの窓から見えた流星はショートケーキと同じ色して /Snow Man


あたたかなスープかきまぜ黄金色のにおいで肺を満たして霜夜 /宮舘涼太


夕暮れの明かりの灯る窓枠に一輪そっと薔薇を置いてく /宮舘涼太


ボールペン、シュークリームの苺、口紅 生活にひそりと祈り /宮舘涼太


夕陽さえ胸にちくりとしみるのはひとりじゃないと知っているから /Snow Man


擦りむいた膝もほどけた靴紐もなんだってんだ僕らのものだ /Snow Man


頭から爪の先まで掛け値なし 清く正しく美しくあれ /阿部亮平


思い出におひとついかが、初雪のかけら一粒入れてあります /Snow Man


差し色は心臓の色、薔薇の色、朝陽に燃える地平線の色 /Snow Man


燃え上がる炎へ飛び込んで行くのは炎からまた生まれ出るため /宮舘涼太


あの朝の雪に伝えて、降りていく地上にはもう春が待ってる /Snow Man


ねえ明日雪は降るかな?初雪を待つなんていつ以来だろうね /Snow Man


3歩目で踏み切る ちゃちな信念じゃカフスにすらも届きゃしないぜ /Snow Man


まばたきを三度、願いは流星じゃなくて右手が掴み取るもの /Snow Man


ひとつずつ思い出せるよ、初雪も星が降る夜も桜の花も /Snow Man


冬に生まれてよかったこと:雪が降ること、花が咲くのを待てること /Snow Man


そのケーキ食べ終わったら来年はどれにするか考えておいて /Snow Man


思い出を365日分花びらにして街に降らすよ /Snow Man


手のひらに掬ったものを同じだけ掬って大事だねってわらう /目黒蓮


たはむれに手折る白菊 霜よりも夜に溶けてくためいき似のやつ /ラウール


弾丸はハートの形、特注の撃鉄はやわらかにグリーン /阿部亮平


今日の日はさようならまた風花に乗ってどこかに生まれ来るまで /Snow Man

ふるさとは吉野の山し近ければ

ひと日もみ雪降らぬ日はなし



アイドル短歌12月分





窓ガラス越し 月光を銀と最初に呼んだのは誰なんだろう /ラウール


瞳からこぼれた星に虹色のコットンキャンディ並べて宇宙 /Snow Man


右肩に降ってきたのは初雪か春を待ちきれなかった花か /Snow Man


特別に教えてあげる、選んだら最強になるラッキーナンバー /宮舘涼太


ひとかけのチョコレートから取り出せる愛の重さは何gでしょう /阿部亮平


キャラメルのポップコーンがはじけたら銀河にひとつ星が生まれる /Snow Man


大丈夫、夜が一番長い日を過ぎてこれから春へと向かう /Snow Man


きんいろの日差しを両手で抱きしめて世界よ優しくあれよと祈る /Snow Man


ジャケットの裏地にひそり縫い付けてターンでひらめかす冬銀河 /Snow Man


枕元に置いといた箱あけてみて チキンが先でケーキは後ね /Snow Man


朝露をはじく白銀のたてがみを得て恐竜はすやすや眠る /ラウール


初雪と今夜の月と、より白く世界を染めたのはどちらだろう /Snow Man


来年もまたよろしくと言えること、だって桜は咲いたのだから /Snow Man

降りそむる今朝だに人の待たれつる

深山の里の雪の夕暮れ





アイドル短歌11月分





翼をくれたなんてこと言うけれど肩甲骨をつついただけさ /佐久間大介


ご来場いただく今夜の公演は土星ステージペンライト付き /目黒蓮


爪の先までひとつなぎ音楽を奏でるための青い咆哮 /渡辺翔


約16000K、確かにまあそれくらいには燃えているけど /渡辺翔


パーティーの終わりに小指捕まえるからボルドーは落とさずにいて /宮舘涼太


出航の号令は今、行先は一等星の方へまっすぐ /岩本照


左目に嵌めた宝石少しずつ緑が深くなってきたでしょ /阿部亮平


来年の約束をしよう 花が咲く頃またここで待っているから /Snow Man


紺色のスーツの袖をついと引く もうすぐ冬が街にも届く /深澤辰哉


おとといは天体観測してたから見ていた色が移ったのかも /岩本照


大きめのラピスラズリを砕いたら一房染めるのに使ってよ /岩本照


何色かたとえるならば朝焼けを半分染めるネイビーブルー /岩本照


右目からぽたりと落ちた一滴が海の雫になるのを見てる /Snow Man


ハンモックほしいな 今日の月なんて吊るしてみたらちょうど良さそう /阿部亮平


描いてたよりも遠くへゆくための翼を創り出すための今日 /Snow Man


左手は星を掴むため 右脚は春疾風さえ追い抜かすため /Snow Man


カーテンを開けて快晴 飛行機の描く白線27cm /阿部亮平


メレンゲに砂糖と砕いたピスタチオ ガナッシュは星のかけらを添えて /阿部亮平


カレンダーなぞる 今年はあと何度かわいいセーター着られるのかな /阿部亮平


円柱の体積を求めなさい なお、イチゴの高さを加味するとする /阿部亮平


日曜の夜をふんわりかき混ぜてお鍋に入れてとろ火で2分 /向井康二






来年元気な姿で会おうね!大好きです!

春霞かすみていにし雁がねは

今ぞ鳴くなる秋霧の上に






アイドル短歌10月分





うさぎうさぎ何見て跳ねる こっそりと指で描いた愛見て跳ねる /阿部亮平


ショーケースの中で君のくちびるに一番相応しいのは僕だよ /Snow Man


くちびるがなぜあるかって果てのない僕らの旅をものがたるため /Snow Man


おはなしのつづきをきかせて、旅立った9人がその後どうなったのか /Snow Man


あの夜に手を取ったこと、震えてたこと、今ここに立っていること /Snow Man


ひっそりとハンドバッグに忍ばせた赤で狙いをつけてる心臓 /Snow Man


ひとつだけ隠し持ってる弾丸が何色なのか当ててみせてよ /Snow Man


Everybody be saying slow down, ねえそのみんなって何処の誰なの /Snow Man


シンデレラ、ガラスの靴を脱がすのは絶対王子じゃなくちゃいけない? /Snow Man


テレビから流れ出したるマリンバが福音のごと聞こえた火曜 /深澤辰哉


まばたきは禁止 3秒数えたら世界はぜんぶ手のひらの中 /向井康二


Take you higher!! いつか今日のこと祈りみたいに思い出してね /Snow Man


さあ世界、心の準備はよろしいか そこのけそこのけ桜が通る /Snow Man


たとえ今この手の中にあるものが痛みたったひとつだとしても /Snow Man


飛び込んだ夏とおんなじ味してる だから涙は海から生まれた /Snow Man


月のない夜みたいだね こわいものなんてないよと揺れる右手は /Snow Man


「12時の鐘が鳴ってもここにいて」なんて言えたら、言えたら、言えたら /Snow Man


非日常へようこそ まさか心臓はそれっぽっちじゃ止まらないだろ /Snow Man


星よりもずっと近くで願い事叶えてあげる、3つまでだよ /Snow Man


宝物見つけたんだね 走り出す覚悟はとうにできてたんだね /Snow Man


戦って勝つ者だけに許される道を「進化」と呼ぶんだきっと /Snow Man


魂を九等分に切り分けたこの場所に今もう一度立つ /Snow Man


100万歩駆け足したら火星までロケットなしで行っちゃうかもね /Snow Man


特別に見せてあげるね あの夜に飛び込んでいた宇宙の中を /向井康二